「本当に、あのスギよりも、きれいになるんでしょうね」何度もOさんに念を押し、一緒にいたTさんにも念を押した。2人とも、ケヤキは、磨けばスギよりきれいになるという。岡部材木からの帰り道、主人が、一緒に車に乗っていたTさんに聞いた。「Tさんは、あのケヤキ、どう思われましたか」「いいですね、磨けば、ケヤキは、本当にきれいな色になりますよ」「もし、あれを使うとしたら、どうなるんでしょう。Tさんは、使ってみたいですか?」「いいね。
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使ってみたいね。ちょっと、どうなるのか、設計上で考えてみましょう」その時は、このケヤキの巨木のために、その後どれほど苦労するかなどということは、私たちもTさんも、考えもしなかった。私は、主人が納得するようなケヤキの木の使い方をTさんがプランニングしてくれることを期待した。その後、このケヤキの大木は、我が家の真ん中の、どこからでも見える場所に立てられることになった。私としては、当然、この木を大黒柱として使うものと思っていた。だが、中があまりにも朽ちていて耐久性に乏しく、結局、大黒柱としては使えないことがわかってガックリ。それでも、光り輝くケヤキの赤は魅力なので、家の真ん中にオブジェとして立てることになった。実は、この木を実際に家に運び込む前に、しなくてはならないやっかいな作業があった。それは、長い間放置されたままだった巨木の皮を剥ぎ、洗ってきれいに磨く作業だ。