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首を傾げる人も多いだろう。逃げ回っているほうが卑怯ではないのか、と思った人もいるはずだ。私もそう思う。破産は法律で認められている正当な行為だ。しかし、O氏の思いは違っている。それは、バブル経済への恨みでもある。平成二年、時の橋本龍太郎大蔵大臣のもと、突然行なわれたによる不動産融資に対する総量規制。怒濤のように流れていく水を急激に止めようとしたこの愚かな行為が、住専への大量資金流出をまねき、それがバブルを加速させ破綻に至らせたことはいまや常識になっている。

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その橋本大蔵大臣は責任を問われることもなく、その後総理大臣にまでなった。中小銀行へ紹介預金を行ない、銀行破綻にまで追い込みながらなんの反省すらない大手都市銀行は、史上最低金利のなか、過去最大の利益をあげ、金融再編成の号令のもと、さらに巨大化していく。権力の名のもとで演出されたバブル経済とその崩壊。直接間接に関わった政治家も金融機関も、責任などとっていないことは明々白々だ。あげくの果てには、公的資金という名の税金投入による救済措置まで行なわれている。そんな権力によって借金を清算してもらうのは納得できないこれがO氏の考えだ。自分一人が借金から逃げ回ることと、破産宣告を受けて借金を棒引きにしてもらうこと。他人からは同じことのように見えるが、O氏は逃げることで自分に筋を通そうとしているのではないか。少なくとも私はそう理解している。

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